北大路魯山人 [1883-1959]
北大路魯山人は京都市に生まれ、書家や篆刻家として身を立てた。やがて骨董趣味や食通が高じて赤坂日枝神社境内に「星岡茶寮」を設立すると、使用する食器などを北鎌倉の工房で制作した。染付、金襴手、織部、志野、信楽、備前など幅広く制作し、また書画に至るまで高い芸術性を発揮した。本作は直径40㎝を超える圧巻の織部釉の大鉢である。高台より段をつけながら大きく広がり、リズミカルに刻まれた線文がバランスよく引き締めている。見込みには、はっきりとした轆轤目が広がり、また段の内側に青み掛かった釉薬が溜まり一層美しさを際立たせている。大きさや出来栄えは美術館級の名品といえる。昭和10年代の作。